【Tシャツの豆知識】ボディに使われる「コットン」どんな特徴があるか知っていますか?

ほとんどのTシャツの原材料となっている「コットン(綿)」。

食材では原産地によって「〜産」という表記をよく見かけますが、コットンも産地によって素材の特徴が異なるのをご存知でしょうか。

育つ土地の気候や育成方法、収穫の仕方によって同じ綿でも長さや風合いが大きな違いが生み、生地の風合いや着心地に大きな影響を与えるのです。

そもそもコットンとは

皆さんがいま見に付けている服はもちろん、小物やインテリア製品まで幅広く用いられているコットンですが、そもそもどんな植物なのかご存知でしょうか。

コットンは、熱帯・亜熱帯地域が原産の多年草。クリーム色やピンク色の花を咲かせた後、実が膨らみ、白い綿(わた)が周囲を覆うようになります。この綿毛を収穫し、撚ったものがコットン(の糸)になっているわけです。

世界三大コットン

数多く存在するコットンの産地の中でも、アメリカ・エジプト・中国で取れ、その中でも特に品質の高い3つのコットンが、世界三大コットンと呼ばれています。(産地だけでなく、品質のグレードも存在します)

・アメリカ – スーピマコットン・エジプト・ギザ地方 – ギザコットン(フィンクスコットン)・中国 新疆ウイグル自治区 - 新疆(しんきょう)コットン

これらのコットンは希少価値が高く、製品タグや説明の欄に明記されていることが多いので、見たことのある方も多いでしょう。

代表的な原産地

インド

近年、これまで世界一の綿生産国だった中国を抜き、世界一の綿大国となったインド。世界で最も長いナイル川の豊かな水資源、そして広大な土地を使って育てられたコットンは世界シェアの約3割ほどを占めています。

ちなみに後述する「オーガニックコットン」に限ると、

中国

世界一ではなくなったものの、現在もなお世界の綿生産の中核を担う中国。主に黄河や揚子江流域、新疆ウイグル自治区で在倍されています。

特に新疆ウイグル自治区で栽培されている新疆(しんきょう)コットンは繊維が長く、製品にしたとき自然な光沢を放つのが特徴です。

実際、私たちが着用しているTシャツのほとんどは中国に工場がある立地的関係から、中国産のコットンが使用されています。最も身近なコットンといって良いでしょう。

アメリカ

そして大国アメリカもコットンの主要生産地の一つ。アメリカ製のTシャツを着用したことがある方はおわかり頂けるかと思いますが、他の産地に比べ、油分が少ない為、ドライな質感が特徴。

ユニクロが用いることで一躍有名になった「スーピマコットン」はアリゾナ、カリフォリニアなどアメリカ南西部で採れる超長綿の中で、最上質の超長綿にだけ使用が許可された名称です。

近年よく聞かれるオーガニックコットンについて

こうした産地によるコットン違いの他にも、近年は産業のサステナビリティが求められる社会背景から「オーガニックコットン」という名称もよく聞かれるようになりました。

実はコットンは農作物の中でもとりわけ多くの農薬が使われており、環境とそこで働く労働者の健康に悪影響を与えていることが長らく問題視されてきました。

そこで、基準を設け認証された農家がつくるコットンを「オーガニックコットン」定めることに。国や認証機関、また農作物としてのコットンと、製品としての基準は微妙に異なる部分がありますが、日本のNPO団体が定めている基準は、概ね以下のとおりです。

オーガニックコットンは、オーガニック農産物等の生産方法についての基準に従って2 ~ 3 年以上のオーガニック農産物等の生産の実践を経て、認証機関に認められた農地で、栽培に使われる農薬・肥料の厳格な基準を守って育てられた綿花のことです。

日本オーガニックコットン協会

ちなみにですが、オーガニックコットンと通常のコットンに品質の差はほとんどありません。農薬に関しても、ほとんど残留物としては残らないので、使用されているからといって肌に刺激が強いといったこともありません。

しかしながら、環境や働くに配慮されている背景を知っていれば自ずとオーガニックコットンを選びたくなりますよね。ぜひこの辺りも注目して、今後のお買い物にも生かしてみてくださいね。

























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