Tシャツ1枚ででかけられる季節は身軽で嬉しいもの。しかしそれだけ暑くなると避けられないのが汗。できればいつもサラリとしていたいものです。
サラリとした肌触りで着心地がいいのは綿100%のTシャツですが、大量に汗をかいたあと体にベタッと貼り付いたままなかなか乾かなかった、なんて体験はありませんか。

夏の暑さ対策なら、黒より白いTシャツのほうが涼しく感じられる、くらいは考えるかもしれませんが、実はTシャツの素材によって、吸汗性や乾燥スピードが違うのをご存じでしょうか。
繊維によって汗の乾きがちがう!
繊維には、綿や麻などの植物性の天然繊維、シルクやウールなどの動物性の天然繊維、パルプが原料のレーヨンなどの再生繊維、石油を原料とするポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタンなどの合成繊維があり、再生繊維と合成繊維はまとめて化学繊維と呼ばれます。
なかでも特にTシャツでおなじみなのは、綿とポリエステルですが、綿100%、ポリエステル100%、綿とポリエステルの混紡のいずれかによって、汗の乾き具合が変わってきます。
綿は「綿」という植物の実からとれる「コットンボール」が原料です。綿100%のTシャツは肌触りがよく着心地がいいのですが、汗がなかなか乾かないというデメリットがあります。また洗濯後はシワになりやすく、型崩れも起こしやすくなっています。洗濯して干すときは、丁寧に形を整える必要があります。

コットンボール
ポリエステルは、ペットボトルと同じ石油を原料とする化学繊維で、世界で最も生産量の多い繊維です。汗の乾きが早く、サラッとした着心地で、シワにもなりにくく、型崩れも起こしにくいというメリットがあります。ただし熱に弱く溶けやすいので、アイロンをかけるときは当て布が必要です。また冬は静電気を発生しやすいという特徴もあります。

ポリエステルは繊維そのものは汗を吸いませんが、生地の密度や繊維そのものの加工によって、Tシャツの生地全体が毛細管現象を利用して汗を吸い込み、肌面から生地表面にすばやく移動させて乾かします。これが吸汗・速乾性につながっています。

特にとろっとしたしなやかさを感じるTシャツに使われているのはレーヨンです。木材などから植物の主成分である「セルロース」を取り出して繊維に再生させているため、「再生繊維」といわれています。シルクに似ており、べたつきにくく吸湿性は高く、肌着などにもよく使われる繊維です。ただし濡れると強度が弱くなり、縮みやすいという特徴があります。
目的に応じて選んでみよう
つまり素材と構成ごとに
- 綿100%は着心地はいいけれど、汗はなかなか乾かない。汗をかかない場面での着用に向いている。
- ポリエステル100%は吸汗・速乾性に優れているため、大量に発汗するスポーツ向き。
- 綿やポリエステル、レーヨンを使った混紡Tシャツは、それぞれのいいところを取り入れている。肌触りがよく、シワができにくく、そこそこ乾きやすいので、大量に汗をかかない日常向き
となります。さらにTシャツそのものの厚さや色も意識すると、より快適に過ごせるでしょう。これからTシャツを購入するときの参考にしてみてください。

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