今、ヴィンテージTの価格高騰が尋常ではない。
特にバンドTの価値は恐ろしいほどに上がっている。
ミュージックTを世に送り出した稀代のプロモーター、ビル・グレハムですら、こんな状況を想定してはいなかったんだじゃないだろうか。
とにもかくにも、Tシャツはあらゆるプロモーションの一部として多大な貢献をしてきた。
それもこれも、Tシャツはプリントとの相性が良いからこそ。
プリントスターが国内で熱烈に支持されるワケもそこにあるのかもしれない。
プリントデザインの発展が押し上げたTシャツの価値
1998年、とある企業がパソコンを使い自由にTシャツをデザインできるキットを開発した。そのクオリティはもはやプロ並みで、3000種類のテンプレートデザイン、2万種類の画像転写シートから好きなデザインを選べたという。
以降、誰もがオリジナルのプリントTシャツを手軽に作れるようになった。
イベントにTシャツは欠かせなくなり、ライブを始め、映画やアニメのプロモーション媒体として機能。
高校や大学の文化祭、運動会(体育祭)、球技大会における仲間たちとのコミュニケーションツールにもなった。
Tシャツがプリンタブルウェアとして日常に深く浸透したそんな背景もまた、プリントスターの人気を後押しするきっかけとなっただろう。
日本初となるプリント専用ボディの誕生
プリントスターを手掛けるのは、年間4500万枚のウェアアイテムをシーンへ届けている株式会社トムス。
その誕生は20年ほど前というから、なるほど、時代性を捉えたブランドであることが想像できる。
その代名詞といえば、“00085-CVT”。
日本初のプリント専用Tシャツとして、今やTシャツ業界内で知らない者はいないほどに有名だ。
キッズからビッグサイズまで幅広いサイズを揃え、今やそのカラーバリエーションは50を超える。
屈強にしてインクのノりもいい
’90年代後半はアメリカ製のボディが一般的。
オープンエンドで織った厚手の生地は、着ていくほどに少し毛羽立ったようなザラッとした質感が現れる
(まあ、それはそれでいいというアメリカ好きも中にはいる)。
ただ、アメリカ規格ゆえ日本人の体にマッチするサイズを探しにくいという難点があった。
しかも、時期によってサイズ感が異なる、同じ品番でも色が微妙に違うなど、品質にばらつきが見られたのも事実(まあ、アメリカ的といえばアメリカ的なのだけれど)。
そこで、肌触りのいいリングスパンの糸で丈夫なTシャツを作れないものかと試行錯誤し誕生させたのが“085-CVT”である。
5.6オンスの程よい厚みや首回りのタフさなど、アメリカ製のような風貌を持ち合わせながら、肌触りはサラリと心地いい。
その上、フルカラーインクジェットプリント、もしくはシルクスクリーンプリントでも抜群のインクのノりを見せる。
軽さ?機能?ファッション性? あらゆる要望に応えるバリエーション
軽さにプライオリティを置きたい人は、4オンスと軽快な“00083-BBT”がいいだろう。
機能面を重視するのであれば、ハニカムメッシュ生地で吸汗速乾に優れる“00083-BBT”がおすすめだ。
他にもラグランタイプやロングスリーブなど、それぞれの嗜好性に添える豊富なバリエーションもウリのひとつ。自己表現として、結束の象徴として、ファッションの枠を超えあらゆる意味をその身に宿すTシャツ。それを陰ながら支えているのは、間違いなくプリントスターといっても過言ではない。
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