今、アパレル業界がある“綿”の存在を巡って大きく揺れています。
今年5月、日本が世界に誇るアパレルメーカー、ユニクロ製品の一部がアメリカの関税で差し止められていたことが明らかになりました。
その理由となっているのが、ユニクロ製品に「新疆綿」が使用されているのではないか?との疑いをかけられたため。現在、アメリカでは政府の輸入禁止措置により、中国における綿花の生産団体「新疆生産建設兵団(XPCC)」で生産された製品の輸入が規制されているのです。
一見すると「アメリカと中国の問題か」そんなふうに思われる方も多いかもしれませんが、実は今後私たちが身にまとう衣服に大きな影響を与えかねない、非常に重要なトピックなのです。
新疆綿とは一体何なのか?
そもそも今話題となっている「新疆綿」とは一体何なのか。一般消費者である私たちには、なかなか分かりづらいかもしれないですね。今回こちらについても簡単に触れておきたいと思います。
衣類の最もポピュラーな素材として用いられる「綿」ですが、世界の綿花の生産量をみてみると、大きなシェアを締めているのが中国とインド、次いでアメリカ、ブラジル、パキスタンとなっています。
中でも中国は世界の約3割の生産量を誇り、なおかつそのうちの9割ほどが今回問題となっている「新疆ウイグル自治区」で生産されているそう。つまるところ世の中に流通している綿の1/5ほどは新疆綿というわけなのですね。
今ではメジャーとなった"中国製”の製品の大半には新疆綿が使用されている背景もあり、多くのアパレルブランド・メーカーにとってはむしろ使わない方が難しい、とすら言える世界のアパレルを支える存在でもあるのです。
アパレル業界を悩ませる新疆綿問題
今回、一連の問題の争点になっているのは、この新疆綿の生産の背景に中国共産党政権による強制労働、人権侵害があるのではないか?といった疑惑。
だったら、違う生産地の綿を使えばいいだけではないかと思われるでしょう。ただ、なかなかそう簡単には行かない事情もあるのです。
障壁となっている理由は大きく2つ。
世界三大コットンと称されるほどの高品質、そして安価
まずひとつ目は、この新疆綿が安価で高品質であるということ。以前下記の記事では世界の綿の種類についてもまとめた際にもふれているのですが、綿の価値は繊維の長さで決まってきます。
厳密に言うと「新疆綿」は新疆地区産の綿の中でも繊維の長さが35mm以上の高級綿を差しているのですが、これはアメリカのスピーマコットン、エジプトのギザコットンと並び世界三大コットンと称されているのです。
大量生産によって安価ながらも、品質が高いため他に代替するのが難しいという側面があるのです。
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同一商品であっても同じの綿ではないことも
こちらは意外と知られていない事実だと想いますが、、同じTシャツを作るにあたってもAのロットでは中国製の綿を、Bのロットではパキスタン産の綿使って作っているということが日常茶飯事なのです。
さらには産地の違う綿をまぜて使っていることもあるため、「このTシャツは〇〇産の綿を使って製造しています」一概にに言えないこともしばしば。
これまでのアパレル業界では原材料の生産元まで追いかけるという文化がなかったため(食品だと当たり前ですよね)実際に作っている側もよく分からないというのが正直なところだったりするのです。
新疆綿以外のTシャツを使いたい
今回の問題を受け、発端となったユニクロの他にも世界中のメーカー各社が対応に追われており、従来のまま販売を継続する企業もあれば、今後使用する素材を新疆綿以外に切り替えていく流れも加速しています。
さて、ここまでお伝えしてきた内容はあくまで報道べースのお話。本件に関して、私たちTshirtt.stはその是非をコメントする立場ではございません。
しかし、Tシャツを用いて”ものづくり”を行う立場として、「できるだけ新疆綿を使った製品を避けたい」という要望も多くなってきているのも事実。そして、私たちもそういった皆さんの想いを大切にしたいと考えております。
そこで、今回はTshirt.stとしてメーカーさんに確認をとれている製品をご紹介致します。
※現在、Tshirt.stでは素材の生産元に関してもメーカーさんに確認をとり、商品ページに明記する準備勧めております。今しばらくお待ちくださいませ。
Printstar(プリントスター)「00085-CVT」はベトナム製
それが、以前から何度か紹介させて頂いているプリントスターの00085-CVT。Tshirt.stで最も売れている超人気Tシャツですね。
こちらに関しては製造元に確認を行ったところ、こちらの製品に関しては中国以外の原綿(主にアメリカ製)を仕入れしてベトナムで製造を行っているとのこと。
(ちなみにベトナム製、バングラデシュ製といった中国製以外の場合でも新疆綿が使われているケースも多々あります)
商品の解説自体は下記の記事で行っているので、今回は割愛させていただきますが、バランスが非常に優れている超ベーシックなTシャツ。老若男女誰が着てもしっくり馴染む一着です。
プリントのボディとしても、そのままでも。新疆綿を避けつつも、できるだけよいTシャツがほしいという方にも自身を持ってオススメできるTシャツになっております。
新疆綿のTシャツ以外を購入されたいという方は、ぜひご検討くださいませ。
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