洋服を脱ぎ着した際に「パチパチ」と音がしたり、痛かったりした経験は誰しもあるでしょう。
これは洋服に発生した静電気が原因。特に冬場は静電気が起こりやすいので、恐怖や苦痛を覚えている人も多いのでは。
静電気を予防するには、まずは原因をしっかり理解することが大切。そこで今回は、静電気の原因や発生しやすい素材、それを踏まえた予防法について詳しく解説します。
これを読めば、静電気にわずらわされずに、日々のファッションを楽しめるようになりますよ。
洋服の静電気はなぜ起きる?

静電気は、プラスとマイナスの電気を帯びたものが接触することで発生します。
身の回りにある物の電気バランスは、通常プラスとマイナスのバランスが保たれています。しかし、着用時の摩擦によってバランスが崩れると、それを戻すために電気が移動します。これが静電気の正体です。
静電気は周囲に水分があると空気中に放電されますが、乾燥していると放電されず、一気に広がります。そのため、空気中が乾燥している冬場は特に発生しやすいのです。
静電気の発生しやすい素材とは?
洋服の素材によって、プラスとマイナスどちらの電気を帯電しやすいかが異なります。
プラスの電気を帯びやすい素材の代表はナイロンやウール、そしてマイナスを帯びやすい代表はアクリルやポリエステルです。
たとえば「ナイロン×ポリエステル」など、プラスとマイナスそれぞれに帯電しやすい素材同士では、特に静電気が発生しやすくなります。
ちなみに、代表的な素材と帯電のしやすさは、以下の表の通りです。
素材名 |
帯電のしやすさ |
ナイロン |
++++ |
ウール(毛) |
+++ |
レーヨン |
++ |
シルク(絹) |
+ |
コットン(綿) |
+- |
リネン(麻) |
- |
アセテート |
-- |
ポリエステル |
--- |
アクリル |
---- |
洋服の静電気を防止する方法とは?
洋服の静電気は、日々の工夫によって発生を防止することができます。
ここでは、特に効果的な方法を4つ厳選してご紹介します。
方法①:重ね着する素材に気をつける
静電気を予防するには、洋服を重ね着しないのが一番ですが、寒い冬場は現実的ではありませんよね。
そのため、重ね着する際は静電気が発生しづらい組み合わせを意識するようにしましょう。
具体的には、ナイロンとウールなどのプラスを帯電しやすい素材同士、アクリルとポリエステルなどのマイナスを帯電しやすい素材同士を重ね着すれば、静電気が発生しにくくなります。
また、帯電しづらいシルクやコットン、リネンなどの天然素材を使うのもおすすめ。静電気の発生しやすい素材の間にこれらを挟むだけでも、大きく静電気の発生を抑制できるでしょう。
方法②:洗濯時に柔軟剤を使う
洗濯の際に柔軟剤を使うことでも、静電気防止の効果が期待できます。
静電気は洋服の摩擦を原因に発生しますが、柔軟剤で生地が柔らかくなれば、摩擦抵抗が減るため静電気の発生も抑制されます。
また、柔軟剤は洋服に水分を含ませてしっとりさせるので、乾燥を防いで電気を空気中に放電させる効果も得られます。
方法③:静電気防止スプレーをかける
名前の通りの効果を持つ「静電気防止スプレー」が市販されているので、これを振りかけるのも良いでしょう。
静電気防止スプレーは、生地表面に吸湿性の高い物質をコーティングします。そのため、摩擦で帯電した場合も、それが空気中に放電されるため、静電気に至る前に予防することができます。
ただし、静電気防止スプレーの中には対応素材が限られているものがあるので、事前に注意書きをしっかり確認するようにしましょう。
方法④:クリーニング店の静電気防止加工を利用する
クリーニング店で静電気防止加工をお願いするのもおすすめです。
理屈としては静電気防止スプレーと同じですが、プロの手で加工してもらえるので、スプレーよりも確かな効果を長期間維持させることができるでしょう。
冬場に使うコートなどは、クリーニングに合わせて静電気防止加工をお願いすると、寒い冬も快適に過ごせるようになります。
まとめ
静電気は、洋服が帯びたプラスとマイナスの電気がぶつかり合うことで発生します。
静電気の予防には、日々の工夫が不可欠。素材の組み合わせを意識したり、表面に加工したりすることで発生を抑制できます。
今回ご紹介した内容を参考に、静電気知らずのおしゃれを楽しみましょう!
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